2004. 6月 北海道トロッコ王国

周囲の風景はまるでD&RGWそのもの、黄色のレールの部分が簡易ターンテーブルで
手押しで方向転換する。


エンドレール付山より美深側をむ仁宇布 構内にはポツンとサハネ581がたたずんでいる 白樺の中を線路は続いている 路盤は手入れが行きとどいており 列車は充分に走れる
状態である



   Play Back 美幸線
  "いつまでも美しく幸せであって下さい!"
小さく、ありがとう美幸線1985,9,6 と書かれた赤い鉄道廃止記念のステッカーをお土産に購入して自宅の洗面台のガラスに貼ってあるのを見る度にあの時の感激が蘇ってくる。
TVコマーシャルで保線用トロッコで実物路線上を走るシーンを見てから興味を持ち これがどこで撮られたものか気になっていたが、それが日本一の赤字ローカル線で有名になった
北海道美幸線の廃線跡であることがわかり今回の訪問となった。
事前に送ってもらったパンフレットによると路線は蘇る走る森林浴とあり 平成10年にトロッコ王国美深の会という団体が美幸線の終点仁宇布からから美深側約5q地点までの区間の
本物のレール上を エンジン付トロッコで運行するというもので特別な免許がなくても運転できるという嬉しい話である。
旭川空港からレンタカーで 約3時間国道40号線は 車も少なく日本離れした風景はアメリカをドライブしているようであった、美深から支道をオホーツクへ向って走らすと対向車もほとんど
無くまるでコロラドの山中を走っている感じで 並行する美幸線の廃線跡は D&RGWやRGS鉄道の雰囲気そのままである。
数軒の民家が現れ 標識がなければ気づかず通過してしまいそうな集落が美幸線の終点仁宇布であった。
トロッコ王国の入国料金1000円を支払って手続きをし、オープンモーターカーなので防寒用のジャンパーと連絡用のトランシーバーを借りての出発である
大自然のロケーションであることから 気になっていた熊のことを聞いてみるとやはり棲息しているようでモーターカーのエンジン音で近づかないので大丈夫であるとのことだが少々気になる。
運転方法を習い 始動セルを引いてエンジンをかけると バタバタバタとうなりを上げるアイドル回転が遅く、止まりそうだがスロットルレバーを引き回転を上げて出発進行。本日のお客は私達
だけで戻ってくるまで路線は貸切となる。 レールジョイントがお尻にゴツゴツとひびく感覚が心地よく、スピードを上げると30qくらいは出ているであろうかオープンエアーでバイクに乗っている
感じである。途中水に芭蕉の群生地にあったりしばし停車、写真やビデオを廻しながら子供に返ったような気持ちではしゃぎながらのトロッコ体験は実に楽しい。
折り返し地点の高広の滝に到着、景色の良い地点でパーキングエリアにもなっている。セルフサービスでトロッコをターンテーブルで転向するのだが事務所の方が車で先回りして待っており
転向を手伝ってくれ私達の出発を確認してから戻るというサービスまでしていただき恐縮する。 帰路もゆっくりとしたスピードで走っていると鉄橋上でついにエンスト、コンクリート橋なので砂利が
敷いてあり怖さは無い 降りてセルを引きエンジン再起動 帰路は25分ほどかかって出発点に無事戻ることができた。 しばし童心に帰りトロッコ王国の住人となったひとときの時間は、はるばる
訪問した甲斐のある今回の鉄道の旅であった。
北辺の地で15年ぶりにトワイライトゾーンから復活してトロッコ王国を運営されている方々や美深町に心からエールを送りたい、 皆さんも北海道へ行ったら
トロッコ王国を訪れてみませんか・・・。

                                   
                                                    2004.5  T・Yamamoto
     

             トロッコ王国美深の旅
             TEL 01656-2-1065