南海紀ノ川鉄橋

  
                                                                           この写真は2002年12月5日撮影




                               2002年12月5日
                                             2005年1月6日

知られざる鉄道橋 南海紀ノ川鉄橋

関西空港行きの特急ラピートの行き交う泉佐野を過ぎると まだ昔日の南海沿線らしさの景色が残っており、
電車が県境の孝子峠のトンネルを越えると和歌山市内が見えてくる、こう配を下り紀ノ川駅で加太線と合流し
右に大きくカーブを描くと やがて全長627mの紀ノ川鉄橋にさしかかる、 和歌山市寄り1/3の水面個所に約
191mのトラス鉄橋が架かっており この上下線2本のトラス鉄橋こそ 知られざる歴史的価値のある鉄道橋である。
上り線のものはMADE IN USAのアメリカンブリッジ社製のもので 遡ること1903年(明治36年)南海鉄道開業時に架けられたもので
今年で102年目になる明治生まれのオールドタイマーである。
この鉄橋はトラスの骨組をピンで結合しているのが特徴のピントラス鉄橋で191m長の現役のものとしては最古参のものであろう。
複線化によって下り線は1922年(大正11年)に架けられたものだがこちらの方は国産のもので少し大きいサイズとなり
ピントラス橋により剛性の高いリベット結合のトラス橋になっている。
両橋とも80年100年以上も経って 歴史的文化財的に価値ある建造物でありながら話題になることがないのが不思議なくらいだ。
古いトラス橋はまた幾可学的美しさもあり 石とレンガ積みによる橋脚もトラス橋とよく似合う鉄道の情景となっている。
ダダン・・・ダダン・・・ 帰路に特急サザンで通過した上り線のピントラス鉄橋は 下り線の時よりも若干揺れが大きく感じたものの、
鉄橋を渡る通過音は遠く100年以上前の南海鉄道開業時代に思いを馳せるのであった・・・・

    
                                          2005.1 T・Y